輸送形態
朝ラッシュダイヤ(大阪線・神姫線)
平日朝ラッシュの上りダイヤグラムは上図の通り。(7:30~8:30のダイヤを抜粋)
明石以東は日中時間帯に比べ、各種別の運転本数は増やされており、特急以外の
種別は1時間当たり4本ずつの運転となっている。明石以西は、日中と運転本数は
変わらないが、上り各駅停車系統は全て、8両編成での運転となっており、
日中時間帯より輸送力が増強されている。
この時間帯で特筆すべきことは、急行のかわりに快速急行が運転されることである。
急行と快速急行の違いは、名谷停車の有無となっている。名谷を通過することで、
遠近分離を図っている。その代わりに、快速急行に続行する形で区間急行が明石以東で
運転され、神戸西部近郊地区から神戸・大阪への通勤列車として機能している。また、
大阪~神戸間の瀬戸急沿線の海岸付近には、阪神工業地帯を形成する工場群が広がって
いる。尼崎に停車する区間急行は、神戸から阪神地区の工場への通勤需要も担う列車と
なっている。
快速急行と区間急行の関係を図示したもの。
快速急行が名谷を通過することで、大蔵谷~名谷の乗客は区間急行に乗ることとなり、
快速急行に乗客が集中することを防いでいる。また、阪神間では千鳥停車を行い、
列車の間隔を詰めた運転が可能となっている。
連続して運転される快速急行と区間急行は、遠近でラッシュの流動を分担しあう
関係となっているが、準急は他の無料優等種別と続行運転されない。そのため、
快速急行や区間急行と比べ、準急は車内の混雑が激しい。ただし、ラッシュの
ピークである、07:30~08:30に大阪梅田または三宮に到着する準急に対しては、
2本に1本の割合で、特急を続行して走らせている。この特急は、全列車が名谷に
停車する。これにより、混雑する朝ラッシュにおいて、着席サービスを提供するほか、
準急の混雑緩和を少しでも図ろうとする意図も見える。
なお、この時間帯には、ほかの時間帯では見られない、三宮駅中線での待避が
見られる。
平日朝ラッシュの下りダイヤグラムは上図の通り。(7:30~8:30のダイヤを抜粋)
運転本数は、上りと同じで、明石以東が特急以外の各種別1時間当たり4本ずつ、
明石以西が急行・各駅停車が各4本ずつの運転である。明石以西の普通は、上りと違い、
4両と8両が混在して走っている。
上りで運転されていた快速急行は、下りでは運転されていない。これは、神姫地区への
通勤需要は、阪神地区へのそれに比べ、大きくないことが理由である。区間急行は下りも
運転されている。これは、尼崎・芦屋から神戸への通勤通学需要を狙っている。
そのため、下り区間急行は基本的に、車庫のある名谷行きとなっている。
特急は、上りと違い、甲特急(名谷・明石・高砂・飾磨通過)と乙特急(名谷通過)が運行され、日中時間帯と同様の構成となっている。